西国屋ホール(さいごくやホール)

玉島地区の文化活動の拠点になった江戸時代の土蔵

団体
西国屋ホール
所在地
倉敷市玉島中央町1-21-32
電話番号
086-525-5711
概要
平成1(1989)年開設
ポイント
江戸時代の蔵を改造したホールで、ミニコンサートや展示会、講演会の会場として利用できる。
収容約100名。
見学は無料(要予約)

玉島の歴史を物語る場所

 高梁川の水が瀬戸内海に流れ込む倉敷市玉島地区。かつて瀬戸内海に浮かぶ島々だったこの場所は、江戸初期、備中松山藩により農地拡張と外港を設ける干拓事業が行なわれました。高梁川を運行する高瀬舟の船着場(川港)と、日本各地を結んだ北前船の寄港地のある、一大物流集散地となる港町の顔を整えて行きました。
 1671年に築かれた堤防を中心に築かれた港町には問屋が並び、商人たちで賑わいました。元禄年間には43軒の問屋があり、約100の土蔵が並ぶ倉庫群が見られたと言われています。

ホールに生まれ変わった蔵

 虫籠窓や格子を備えた本瓦葺の商家や、なまこ壁のある土蔵が今に残る「玉島保存地区」。現在の玉島中央町から阿賀崎、玉島3丁目の一部で、旧町名で言えば新町、仲買町、西町、矢井出町の地区で、1995(平成7)年、岡山県で8番目の町並み保存地区に指定されました。
 西国屋ホールは、旧「新町」地区にあり、北前船から運びだされた荷物を保管していた蔵です。外壁だけでなく、室内の壁全体に平瓦を張った造りは、全国でもほとんど例を見ない珍しいものです。北海道から届くニシンを管理するための温度管理の機能を果たしていたという説がありますが、明確な証拠は見つかりません。雨が降っても荷役ができるよう、大きな庇屋根のある入口や、相合い傘の描かれた江戸時代の落書きにも注目です。

録音スタジオや写真の展示会にも

 巨大な梁のある高い天井など、基本の構造には手を加えず改装し、多目的スペースとして再生させたのが1989(平成1)年。以来、蔵の中のコンサートや展示ギャラリーなど、さまざまなイベントに利用されています。内部は音が反響しないため、プロミュージシャンによるレコーディングルームとしても使われました。
 『西国屋』という名前は、江戸時代にこの蔵を所有していた商社の名前で、ここは「港町ルネッサンス振興会」の拠点で、コンサートや講演会など、文化活動を行なっています。予約をすれば見学可能で、イベントでの使用は応相談です。(2018年10月)