「クルード」とは
常温保存ができ、フライパンで炒めて付属のペーストを加えるだけで簡単に食べられるスパゲティとして親しまれているクルードスパゲティ式めん。お弁当の一品としても人気があるこのスパゲティは倉敷の岡山インスタント麺株式会社で製造されています。製品名の「クルード」とはイタリア語で「生」の意味で、乾燥させていない「生めん」にちなんで名付けられました。
50年以上のロングラン商品
その発売は昭和41年(1966年)のこと。すでに50年以上に渡って愛され続けているロングラン商品ですが、発売した頃はまだスパゲティが今ほど一般的ではなく、デパートの地下で試食販売を始めた時にはお客さんに「赤いうどんだ」と評されたこともあるとか。そいういったこともあり、2ヶ月はまったく売れなかったと言います。しかし当時あった乾めんのスパゲティはゆでるのに30分ほどもかかるようなもので、そんな中で簡単な調理で手軽に食べられるこの商品は「売れる自信があった」と社長の中原征四郎氏は語ります。実際4ヶ月を過ぎるころから、試食をして買って帰ったお客さんからの口コミで徐々に売れ始め、4~5年で採算ベースへ。以降、今日まで売れ続けているというわけです。
常温保存の理由
現在では1日に8,000~10,000食が製造され、市場は県内一円から四国と兵庫県の一部まで。中原社長によると、めんだけがわずかに細くなっている以外は基本的に味もパッケージも発売時とほとんど変わらないそうで、すっかり県民食として定着した感があります。もちろん常温保存が可能なのも昔のまま。常温保存できるようにしたのは、発売時は冷蔵庫を完備したスーパーなどがまだなく、八百屋や百貨店の棚に並べて販売することを想定していたから。ちなみにクルードスパゲティ式めんは「冷蔵保存しないで欲しい」とか。でんぷんの性質上、冷やすと固くなったりして本来の美味しさが出ないそうです。
昔と変わらない味を求めて遠方からも引き合いがあるこの商品について、中原社長は「日本人にとってのうどんのような存在になって欲しい」と言い、そのために品質に気を配りながら味を守り続ける努力を続けています。
(2021.11更新)
食べ出したらやめられない
60年もの長い間愛されている細長い形のビスケット半世紀以上に渡って愛されるロールパン
ほどよい甘さの自家製バナナクリームがサンドされたロールパン