朝7時の開店に合わせて
ふっくらと焼き上げたロールパンに、ほどよい甘さの口どけの良い自家製バナナクリームがサンドされたバナナクリームロール。倉敷で生まれ育った人なら誰もが一度は口にしたことのあるこのパンは、岡山木村屋の倉敷工場で作られています。毎日朝7時の直営店開店に合わせて製造され、配送されていきます。
基本的な味と製法を守る
発売された年は今となってはハッキリした資料が残っていないので不明だそうですが、少なくとも昭和36年度(1961年)のパンフレットには掲載されているので、およそ半世紀以上に渡って愛されているロングヒット商品と言えるでしょう。ちなみに初期は紙の包装が使われていたそうです。
クリームの味にバナナを選んだ理由も定かではありませんが、おそらくは当時最高級品であったバナナを手軽に味わってもらいたいとの思いで考えられたのではないか、とのこと。発売以来、基本的な味と製法を守り続けているオリジナルのバナナクリームはファンも多く、昔はお客様の要望でバナナクリームを店頭でパンにサンドしていたこともあったそうです。今はそれが製品化されてドイツコッペ(バナナ)として販売されているそうです。クリームのみの単品でも販売されています。
今では岡山のソウルフードに
岡山で2014年より毎年開催されている「おかやまマラソン」に協賛して、走者全員に「バナナクリームロール」が配布され、岡山の名物のパンが味わえたと非常に喜ばれて、大会の盛り上げにも寄与しています。
また、お土産品としての需要にも応えて、バナナクリームロールと同じように岡山の定番ビスケット「梶谷のシガーフライ」とコラボして「新しい食べ方」を提案した「バナシガ」を発売し、岡山の2大ご当地ものが合体した「ご当地パンの新潮流」として注目を集めています。岡山木村屋ではこれを機会に中高年の方には慣れ親しんだ製品の新しい食感を、若い世代には今に新しい商品として知って頂き、「親子3代にわたって愛されてきたものを、さらに4代、5代と続いてほしい」と語ります。
価格は「バナナクリームロール」1本112円(税抜)で直営店40店舗を含む約80店舗で、「バナシガ」は1個530円(税抜)で主要な直営店で販売しています。
(2021.11更新)