昔ながらの織機にこだわり、昔ながらの製法で製造
明治32年(1899年)、石井喜代太氏によって創業されました。当初は真田紐(ひも)と小倉織の帯地を扱っていましたが、2代目の東吾氏の頃、時代の流れとともに学生服や作業洋服の生地製造へと転換しました。
現在の八重藏氏は3代目で、大学を卒業した昭和41年(1966年)より工場を引き継ぎました。全ては「技を盗んで経験は失敗から生まれる」との思いで、今では手に入らなくなった部品は自分で手作りし、機械の調子に細心の注意をはらいながら、芸術的な織物に仕上げていきます。
採算は合わすものである
主力商品である「ギャバジン」「平織り」は綿100%にこだわり、折り目のきつさや丈夫さなど緻密さでは他の追随を許しません。「人は苦労しなければならない」との信念から、仕事に対する真摯(しんし)な姿は業界でも有名ですが、八重藏氏のモットーは「採算は合わすものである」というもの。仕入れする糸の値段は決まっており、お客様の予算に合わせるには工賃を工夫して値段を決めます。培った豊富な経験が、お客様に満足いただける最上の商品となって出来上がります。
地場産業としての誇り
八重藏氏が引き継いだ昭和40年代全般には138社あった業者も、現在は10社あまりに減少しました。事業を継続するには何があっても共存が大切ですが、常にお客様に喜んでもらえる商品を提供するには高品質で他の追随を許さない商品作りを続けること。古い機械を我が子のように使いこなし、伝統的な織物製法を若い人たちにも興味をもってもらえるよう、ものづくりと職人の意地を大切にしています。(2014.12)
伝統を忘れない。挑戦を止めない。
繊維、化成品、エレクトロニクス、エンジニアリング、バイオメディカル、工作機械、食品・サービス...