染織から加工、仕上げまで自社工場で一貫生産
「国産ジーンズ発祥の地」倉敷市児島で、染色から織物、洗い加工、仕上げまで一貫して行なう、全国でも珍しいテキスタイルメーカーです。日本に数社しかないロープ状染色機や旧式シャットル織機などを有する自社工場で作るオリジナルのデニム生地は、国内ブランドだけでなく、海外の一流ブランドからも厚い信頼を寄せられています。
明治38年(1905年)に足袋などに使われる綾織の白生地「雲斎(うんさい)」を作る織物業として、現在本社を構える倉敷市児島稗田に創業。昭和16年(1941年)に「正和有限会社」を設立し、昭和40年代には糸の染色も手がけるようになりました。その後、デニム生地の原料となるコットンだけでなく、リネンやシルク、カシミヤなど、さまざまな素材のインディゴ染めに成功。世界を感動させる独自の生地開発に挑み続けています。
世界初のナイロンデニムで新たな可能性を切り開く
「ショーワ」では、品質の高さを追求しながら、風合いや肌触りを大切にした「着る人の心を豊かにする生地」を製造しています。なかでも、独自の技術でインディゴ染めしたタスマニア産のオーガニックウールを用いた「ウールデニム」は、平成21年(2009年)に開催された世界最高峰のテキスタイル見本市「プルミエール・ビジョン」で、約10万点の応募の中から「ハンドル賞(手触り・風合い)」を受賞。ものづくりへの情熱とこだわり、卓越した技術を結集して生まれた「ショーワ」の傑作が、世界から認められました。
また平成27年(2015年)には、ナイロン糸をインディゴ染めしたナイロンデニムの開発に着手。研究を重ね、試行錯誤を繰り返しながら、令和元年(2019年)に世界で初めて完成させました。軽量で速乾性・耐久性・防しわ性・ストレッチ性に優れた高機能のナイロンデニムは、特許を取得。一流ブランドのアウトドアウェアに採用されるなど、瞬く間に業界から注目を集め、ファッションの新たな可能性を広げました。
未来を見据えたエコロジー商品の開発に一早く着手
近年、国連が提唱する「SDGs(持続可能な開発目標)」の認知度も高まり、各企業が率先して取り組みを進めるなか、「ショーワ」ではいち早く「サスティナビリティ(持続可能性)」「トレーサビリティ(追跡可能性)」を掲げて、商品開発に取り組んでいます。
オーガニックコットンや天然染料など原料にもこだわり、数々の試験を繰り返しながら、肌にも地球環境にも優しい安心・安全な布を提供。ほかにも、古着や不良品のデニムをリサイクルした糸で生地を作るなど、未来を見据えたエコロジー商品の開発に力を入れています。
(2021.03)