イ草製品製造から貿易会社へ
孔雀株式会社は明治34年(1901年)、藤原真吉氏によって畳表や花ござなどのイ草製品の製造販売業「藤原商店」として創業されました。その後、昭和27年(1952年)に、まだ日本に返還されていなかった沖縄にイ草製品の輸出を始めたころから貿易の業務も開始。昭和47年(1972年)に台湾に合弁会社を設立してからは、現地生産の花ござや竹マット、竹カーペットの輸入を本格的に手がけるようになりました。さらにタイ、中国、マレーシアと輸入先を広げ、貿易会社として成長を続けることになります。
近年は墓石に注力
現在の主な取り扱い商品は、インテリア敷物やカーテン、石材、竹集成材など。近年は墓石用の石材の扱いが多く、売り上げの半分以上を占めています。特に墓石には力を入れていて、「Let'sお墓参り」をキーワードに心の故郷としてのお墓参りを積極的に提案しています。ガラスなど今までにない素材を使った新しいデザインのお墓を企画したり、それらの情報発信も欠かしません。また、「S-elabo」という石材関係7社で構成された墓石のブランドネットワークにも加わり、活動の場を各地へと広げています。
「孔雀」に込められた理念
現社長の藤原巧氏によると、企業として一番大切にしていることは「誰もやっていないことにいち早く手を付けること」だとか。その理念は「早し良し、遅し悪し、丁度良し危うし」という言葉で代々受け継がれています。ちなみに社名の「孔雀株式会社」は「孔雀マット工業」から平成23年に変更したもの。「孔雀」の由来は、イ草製品を製造していた時期に遡ります。それまで一定パターンの柄しか織れなかった時代に苦労して複雑な企画柄を実現し、その中でも孔雀柄が特に人気があったことから、「他よりも一歩早く動く」という理念の象徴として「孔雀」の名前が社名に取り入れられたものです。
また、早く動くために普段からの情報収集、発信も気を配っているポイントだとか。ホームページは同業他社に先駆けていち早く導入し、更新も頻繁です。「情報を発信し、その反応を得ることが実績につながる」と藤原社長。今後についても常にアンテナを広げて新しい挑戦を続けていくことが願いです。