酒津焼

現存する倉敷最古の焼物の窯元

所在地
〒710-0801 倉敷市酒津2827
電話番号
086-422-1962
代表者
岡本研作
創業
明治2年(1869年)
事業内容
窯業
従業員数
2
ホームページ
http://sakazuyaki.jp
リンク
倉敷エリアの特産品「酒津焼」

現存する倉敷最古の焼物の歴史

 酒津焼は現存する倉敷最古の焼物とされ、その歴史は明治2年(1869年)に初代岡本末吉氏が鶴形山の麓に「阿知窯」を開いた時に始まります。当初は新田灘の土を使っていましたが、明治9年(1876年)、より良質の土を求めて酒津に移転。兜山(別名甲山・加武登山)に窯を作ったことから焼物は「加武登焼」と名付けられ、後に「甲山窯」という窯名を経ていつの頃からか「酒津焼」と呼ばれるようになりました。大正15年(1926年)には、当時の皇太子殿下(後の昭和天皇)がご来倉の際に菓子鉢を献上しています。

 昭和初期には近藤悠三氏、浜田庄司氏、河井寛次郎氏、富本憲吉氏、それにバーナード・リーチ氏といった著名な陶芸家の指導を次々と受け、そのことが酒津焼に大きな影響を与えました。そして昭和25年(1950年)には交通の利便化をはかるために、高梁川の西にあった窯を東側の現在の場所に移転し今に至ります。

職人の誇り

 現在は、6代目の岡本研作氏と弟和明氏の兄弟2人が父子相伝にて窯の火を受け継いで作陶に励む毎日。生活の中で使われることを前提にした厚みのある丈夫な焼物を中心に茶器、花器、食卓用品などを作っています。歴史のある窯元だけに長い付合いのお客さんも多く、「昔購入したカップの取っ手が取れた」と言って修理に持ち込まれることもあるとか。そういうことも見越して、急須のフタなどは予備を作っておくこともあるそうです。細かいことですが、そういった部分に職人としての誇りが感じられます。

陶芸発展のために

 今の時代、やろうと思えば誰でも陶芸ができるだけに「より良い物を作る必要がある」と語るのは研作氏。そうした研鑽の成果は、年1〜2回の窯出し展のほか、倉敷市内外で開かれる展覧会で見ることができます。令和元年(2019年)には「酒津焼開窯150周年記念展」も開催されました。また、陶芸愛好家の交流の場として陶芸教室や一日陶芸体験も実施していて、特に一日陶芸体験は若い観光客を中心に人気を集めています。

(2019.11更新)