名刀のふるさと備中青江
日本有数の刀剣の里である岡山県は、国宝や重要文化財に指定されている刀剣が数多くありますが、その中でも備前と備中の刀工によるものが約5割と言われています。
備中青江で刀鍛冶が盛んになったのは、恵まれた鉄資源、高い製鉄技術が生み出す質の良い鋼、高梁川の清流と豊富な森資源(薪炭)が揃っていたからですが、先人たちの絶え間ない研鑽と高められた技術がいつの間にか下火となり、備前のみが名を遺しておりました。
青江に刀剣工房
赤松伸咲氏が制作活動されている倉敷青江は、そんな「名刀のふるさと」ですが、氏は学芸員として備前長船博物館に勤務していた頃、刀剣の世界に魅せられて修行の世界に入ったのでした。
入門した先は人間国宝として名高かった隅谷正峯刀匠で、ここで5年間技術を学び、平成2年(1990年)に作刀承認を経て独立されました。独立後に出展された刀剣は新作名刀展にて優秀賞・新人賞に入賞し、以後も入賞を続けたことから、「新進気鋭の新人」として高い評価を受けます。以後も順調に出展作品は入賞を重ねていますが、追求心は衰えることなく、日々新たなる挑戦をされています。
こだわりと探究心
常に新しい息吹を吹きかけたい赤松氏は、隅谷氏最後の門人でありながら色々な作風も研究し、挑戦を続けています。「エヴァンゲリオンと日本刀展」への出品は大反響を呼び、刀剣の新たなる境地を模索されることとなりました。
しっかりとした伝統技法があるからこそ出来る技。伝統文化の伝承は難しいですが、元学芸員の博識と積み重ねた技術で邁進されています。
(2013.11)
鮮烈な存在感と、使い手の心を包み込む温かさ
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