「スイート」は香りの良いこと、「ピー」は豆という意味
スイートピーはマメ科の植物で17世紀末頃にイタリア・シシリー島で発見され、その後イギリスに渡り、ヨーロッパ各地で改良が進み多種多様な園芸品種が生まれました。現在では、日本でもお馴染みのお花になっています。
和名は、ジャコウレンリソウ(麝香連理草)と呼ばれ、日本では、英名のスイートピーで呼ばれることが一般的です。スイートピーの「スイート」は香りの良いこと、「ピー」は豆という意味です。花言葉は「門出、思い出、繊細、優美」といわれており、卒業・入学・就職と、春の門出を彩るにふさわしい花です。切り花としての需要が高く、岡山、宮崎、大分などが大きな生産地となっています。
「パステルカラー&甘い香り」が特徴
茎は自立せず、巻きひげを他のものにからませながら茎が上に伸びていき、3mの長さに達します。茎はやや帯状で平べったく見え、葉の付け根から花茎を長く伸ばし、その先端に3~5輪の花を咲かせます。花は蝶が羽ばたいているような姿で、花びらは旗弁、翼弁、竜骨弁の3種で構成されています。色は赤、ピンク、紫、ブルー、白などがあり、甘い香りを放ちます。
開花後、表面に産毛がたくさん生えた豆さやができるのが特徴です。野生種(原種)はブルーと赤紫色の花びらをもつ上品な色彩で、遠目からでも人目を惹き、芳香も強いのが特徴です。大輪で美しい花色の園芸品種もたくさんありますが、自然に咲いている野生種はその美しさで行き行く人々を魅了します。
岡山県下有数の生産地 船穂町
岡山県下有数の生産地である倉敷市船穂町では、瀬戸内の温暖な気候を活かして、約20件の農家がスイートピーの栽培をおこなっています。船穂町地区では、すぐ近くには高梁川が流れ、周囲が自然に囲まれ、その山間にスイートピーのハウスが立ち並んでいます。「晴れの国岡山」と呼ばれるように、年間を通して晴れの日が多く、また栽培時期の朝晩の冷え込みにより、スイートピーの栽培に欠かせない好条件のもと、高品質で多種多様なスイートピーの花が育ちます。また、1月27日は「い~ふなお(よい船穂)」と読む語呂合わせから、船穂スイートピー記念日と定められており、倉敷の各地で花の展示をおこなったり、無料で花束を配ったりと色々なイベントが開催されています。
(2020.11更新)
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