軽くて丈夫で便利な「帆布」
「帆布」は撚り合わせた綿糸を用いて織った1平方メートルあたり8オンス(約227g)以上の平織りの地厚い織物のことです。英語ではCANVASと呼ばれ、油絵のキャンバス生地はその代表格です。化学繊維と違い、天然素材だけで作られているため使い続けるほどに味わいが生まれ、耐久性・通気性にも優れています。 この帆布は、コシがあり丈夫なため「軽くて丈夫」の便利な布として現在も多くの人に愛され続けています。
「帆布」の歴史
「帆布」の歴史を振り返ってみると、綿花が本格的に日本に到来したのは室町時代と言われ、江戸時代末期より帆船の帆として使われ、江戸と大阪の航路の発展にも関わる発明品でした。明治になると帆布は鉄道貨物のシート、テントといったものから、お酒・醤油つくりのコシ布、職人の持つ道具袋、牛乳配達袋、学生の手さげ鞄など、その丈夫さを活かしたあらゆる用途に用いられ、様々な産業生活資材として大量に生産されていきました。
岡山県倉敷市では、もともと綿花栽培が盛んであったことに加え、糸を撚る技術があったため、現在でも綿帆布の日本一の生産量を誇っています。倉敷市曽原も「帆布」の産地であり、現在でも国産帆布の約7割を生産しています。その中でも撚り合わせの糸の組み合わせにより厚さが定められており、1号から11号までの規格がいまも基準値として守られています。極太の糸をシャトル織機にかけ、平織りすると「織物の耳=セルビッジ」付帆布が誕生します。そしてこのセルビッジが「倉敷帆布」として、他の帆布と一線を画すゆえんなのです。
人気の「トートバッグ」
倉敷曽原にある「倉敷帆布株式会社」では自然素材のまま、昔ながらの織り方を守りつつ今までの工業用品や仕事道具としてだけではなく、帆布のすばらしさをより多くの人に知ってもらい、手に取って感じて頂けるように日用品、衣類、小物など新しいアイデアを取り入れた商品作りを行っています。なかでも「トートバッグ」は、国内でもセンスの良いシンプルモダンのデザイン性の高さ、多彩なカラー、またその機能性に優れた使いやすさが評価され、女性の間でたいへん人気を博しています。
(2022.02更新)
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