起源は1184年
ほんのりお酒の風味がする薄皮で包まれた程よい甘みのあん。昔から変わらない味で市民に愛される藤戸まんぢゅうの起源は源平の合戦にまで遡ると伝えられています。寿永3年(1184年)、源氏の武将が地元の案内人を機密保持のために殺してしまい、その供養として供えられた饅頭が発祥とされ、その後、元禄時代頃まで藤戸寺の茶店で売られて親しまれました。饅頭自体は少しずつ改良され、今のような形・製法が確立したのは江戸末期で万延元年(1860年)に現在の地に店が構えられてからのことです。
無添加にこだわる不変の味
今日でもその味を受け継ぎ製造販売を続ける藤戸饅頭本舗。無添加にこだわった原材料は、北海道産の小豆と地元の麹、それに小麦粉などです。小豆は秘伝のレシピで丁寧にこしあんにされ、麹から搾った甘酒と小麦粉とを混ぜて出来た薄皮に包んで蒸し上げます。保存料は使わないのが信条で消費期限が短くはなりますが、その分、素材本来の味と風味が存分に生かされています。
社長の金本博行氏によると、何よりも安心・安全な商品づくりに気を配っているそうで、昔から不変だった商品パッケージも個別包装を追加したりと、時代に合わせて改善の努力は惜しみません。ただし、つくる商品は藤戸まんぢゅう一種類のみ。この一つの味をかたくなに守ります。
地元定着のお饅頭
そうした長い間の不変の味はすっかり地元に定着していて、観光客だけでなく地元の愛好者が多いとか。特に春のお彼岸にはお供え用として多くのお客さんが購入に訪れます。また、遠方からも親しんだ味を求めての注文があり、地方発送も行っています。
現在、藤戸まんぢゅうは藤戸町にある本店と工場併設の串田店のほかに天満屋倉敷店や倉敷市内主要駅のキオスクなどでも販売中。岡山市内ではさんすて館などで扱っています。
(2021.11更新)
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