茶屋町の鬼保存会の結成
茶屋町の鬼は、倉敷市茶屋町地区に200年以上前に起こった民俗文化です。様々な形相の鬼面に、家紋等をあしらった胸当て・手甲・脚絆(きゃはん)の装束に派手なタスキを背中に垂らした姿で、杖やこん棒を持ち、神社の境内や茶屋町駅前に現れたり、お神輿とともに町内を歩き回ったりしていましたが、昭和30年代から40年代にかけて衰退していました。
その後、町民有志の熱意により、昭和50年(1970年)に「茶屋町の鬼保存会」が結成され、茶屋町の鬼の保存や推進を目的とした鬼装束の作成や管理、地域の催しへの参加や、茶屋町の鬼を中心としたイベントの企画・運営を行うようになりました。その結果、茶屋町の鬼が安定して現れるようになりました。
「鬼ばやし」と「鬼おどり」
最近は、鬼面・鬼装束の工夫に加え、身に着ける小物にも凝った鬼が増え、平成26年度(2014年度)からは、11月第3日曜日に「茶屋町の鬼まつり」を開催し、茶屋町駅前「鬼の広場」に100匹以上が集結し、見る人を楽しませています。また、稲荷神社・住吉神社の秋季例大祭とその前夜の宵宮にも鬼が戻りつつあり、その他にも各地のイベントや養護施設などにも出現しています。
茶屋町の鬼保存会には、お囃子(おはやし)を担当する「鬼ばやし部」と、踊りを担当する「鬼おどり部」があります。鬼ばやし部は、太鼓を中心にした力強い演奏で、鬼まつりの要所をしめたり、色々なイベントに招かれて演奏しています。そして、鬼おどり部は、人前で踊ることの好きな有志の集まりで、老若男女が鬼まつりや倉敷天領夏まつり、水島港まつりへの参加や施設の慰問に向けて、練習を続けています。
茶屋町の鬼は場を盛り上げる集団として、地域住民のみならず、近隣の施設やイベントから期待されています。
(2020.11更新)