国の重要文化財に指定された、日本最大級の樋門
大正13年(1924年)に完成。取水樋門・北配水樋門・南配水樋門からなり、北配水樋門は八ヶ郷・山根川・中川・三番川・浜川の各用水路に、南配水樋門は倉敷・備前樋・南部・西部・西岸の各用水路に農業用水を配水をしています。
いずれも、樋底の標高は5.3m。樋門の長さ4.3m、高さ1.2m、幅1.18〜1.75mのものが合計21門あり、このうち8門を電動式スライドゲートに改修し、操作室から遠隔操作を行っています。特に南配水樋門は総計15のゲートを持ち、現在も活用されている国内最大級の樋門です。
鉄筋コンクリートに、花崗岩(かこうがん)を飾りにあしらった端麗な構造が特徴。この地域では時代を問わず、特産品である花崗岩や石材を利用した構造物が多く作られていましたが、鉄筋コンクリートに花崗岩を合わせたものは特殊であるといわれています。
これらのことから、平成15年に土木遺産に認定、平成28年7月25日には国の重要文化財に指定されました。施設の周辺は、桜の名所として知られている酒津公園が整備されており、地域の人々に親しまれています。