5代に渡って一子相伝
岡山県指定の伝統的工芸品である倉敷はりこは、生水多十郎氏によって明治2年(1869年)に生まれました。以降、その技術と伝統は5代に渡って一子相伝で脈々と受け継がれ、今に至っています。作品は張子の虎をはじめとして各種の面、干支をモチーフとしたものなど多種多様で、一貫して全て昔ながらの手作業で作られる手間のかかったものです。
製作工程
工程は木型に紙を貼って形を出すことから始まります。破れにくい柔らかい和紙と洋紙を組み合わせながら幾重にも重ねていきます。その後、木型から外すために入れた切れ目を接着し細い紙を貼るなど細部を加工し、胡粉(貝殻の粉)に膠(にかわ)を混ぜて全体に塗ります。これによって表面が滑らかになり、その後の塗装がうまくいくわけです。作品によって髪の毛やヒゲなどを取り付け、最後にニスを塗って仕上がりとなります。
実際はこの間に乾燥させる工程も入るため、作品が出来上がるまでの時間はかなりのもの。また、気温が20度以下でないと膠が溶けてしまうため、胡粉が塗れる時期もかなり限定されます。最近は温暖化の影響でこの期間がだんだん短くなってきているのが悩みの種だとか。
手作業ゆえの悩み
製作に必要な木型ももちろん自作。一種類の作品につき複数が必要で、大きさが変われば木型も一から作らなければなりません。現在ではこうして手間と時間をかけて作られる張子はなくなっているそうで、昔ながらの品質と味を求めるお客さんから倉敷はりこに向けられる期待は年々大きくなっています。かと言って、手作業で一つ一つ作る以上は生産数にも限りがあり、人気のある張子の虎などは基本的に品薄状態。中には遠方からわざわざ直接買いに訪れる人もいるそうです。
倉敷はりこの作品は、小物であれば美観地区の土産物店、晴れの国おかやま館などで販売中。虎は人形店で買うことができます。また、毎年干支に合わせた張子も製作していて、12種類を集めるのを楽しみにしている人もいます。昭和63年(1988年)の年賀切手には、倉敷はりこで作られた「辰」が、平成29年(2017年)の年賀切手には「とり」が絵柄に採用されています。
老舗醸造元の伝統の味
商品名「純米本みりん」 1,800ml 2,600円(税別) 900ml 1,400円(税別) 300ml 600円(税別...日本人の心 和装文化とともに受け継いで
足袋の産地として、倉敷市玉島・船穂地区では、白足袋、柄物、レース、刺しゅう足袋など品質の高い...